調査選定もAIが?!

2017年9月、10年後を想定した「税務行政の未来像」が国税庁より公表されました。そこには、近年成長著しい情報通信技術(ICT)や、人工知能(AI)の技術を積極的に用いて国税庁の使命を果たしていくことが示されていました。

「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」この使命を実現するために、国税庁はいくつか任務を掲げていますが、そのうちの1つに『適正かつ公平な賦課及び徴収の実現』があり、この実現のために、①②の推進が掲げられています。

①納税環境の整備→申告をするための情報提供や納税等のための利便性向上
②適正・公平な税務行政→申告や納税を逃れることのないようにすること
(1) 申告内容の自動チェック
(2) 軽微な誤りのオフサイト処理
(3) 調査・徴収でのAI活用→精緻な調査必要度判定、納税者への最適な接触方法と要調査項目の提示

最適配分と重点的な課題への取組
AI等を活用して税務行政を効率化→人員を最適配分する→『適正かつ公平な賦課及び徴収の実現』をするための“重点的な課題”への取組強化→国際的租税回避・富裕層・大口悪質事案への対応。

なお、「国税庁レポート」の2017年版には、“重点的な課題”に関連して次の調査事例が公表されていました。
①海外資産等の申告除外→租税条約に基づく情報交換制度を活用し、海外の⾦融機関に保有する⾦融商品から運用益を得ているにもかかわらず、申告していなかった事実を把握
②消費税→消費税課税事業者にならないように、意図的に収⼊⾦額を少なく申告していた事実を把握
③無申告→会社員が副業のネット販売について申告していなかった事実を把握

税務行政の今後の動向も参考にしていただければ幸いです。